2011年6月25日土曜日

活動報告 渡波祭 +虫の話 

6月19日(日)


大盛況でした


昨日の18日に続き,渡波小学校へ.この日は,渡波小学校でお祭りがおこなわれた.
有名な漫画家の方々が十数名も訪れて,サイン会や交流イベントが開かれたり,自転車の抽選じゃんけん大会が開かれたり,餅つき大会がおこなわれたりと内容盛りだくさんで大いに盛り上がった.


気持ちがよい快晴 でも暑すぎ
漫画家の方
漫画家の方々は,行列を作る子供たち一人一人に話しかけなら,サインを書いていた.とても暑く,汗をかきながらも笑顔で丁寧に絵も描いていた姿がとても印象的だった.




私たちは,他の多くの炊き出しチームなどと共にフルーツポンチ屋と,子供ホットケーキ教室,足湯などで協力した.


フルーツポンチ,ホットケーキでは以前紹介した“ブレーメンのかみしばい隊”のメンバーのサイトウさんら一行と愛知県から子供相手のボランティアをしにやってきた大学生2人が協力してくれた.


フルーツポンチは,暑くなってきて体調を崩す方も出てくるかもしれないのでビタミンを取ってもらおうということで企画.前日に石巻のスーパーで材料を購入し,渡波小学校で余っていたフルーツなどと共に提供した.とても暑い日になったこともあり,作っても作ってもすぐ売り切れてしまった.


朝早くから食材の準備


フルーツポンチが無くなってしまった時点で,子供ホットケーキ教室に移行.フルーツポンチの材料と共に購入しておいたホットケーキミックスとトッピング用の液体チョコレートで子ども達に自分で食べる分を自分で作ってもらう.
避難所で集団生活をおくっていれば,自分たちで料理などをすることはまず無い.そのため,たとえホットケーキだけであっても自分で料理するということはすごく久しぶりだったはず.皆,始終笑顔でホットケーキを一緒に作っていた.


こんなに喜んでくれるとはというくらい喜んでもらえた


足湯は,め組ジャパンさんとOn the Roadさんの整体・マッサージ隊と一緒に.今回は,本格的な整体とマッサージがセットだったためお待ち頂く方が出るほどだった.やはり,避難生活で肩や腰が凝って辛い思いをされている方が多いようだ.
この日は,天気が本当に良かったため,足湯に浸かりたい方はあまりいないかなと思っていたのだが,それでも足だけでもお湯に浸かりたいと多くの方に利用して頂けた.


ご利用ありがとうございます




ここで気になったのは,ハエの多さ.
本当に気を付けないと食べ物にはすぐハエが集まってくる.渡波で生活する人に聞けば,ハエや蚊などが多くて夜はまともに寝られないほどだという.ハエは数だけではなくその大きさに驚かされる.ハエにとっては食べ物が豊富なのか丸々と肥えて黒々としている.大きい分,羽音も大きくて非常に耳障りだ.そのくせ動きは非常に素早い.素手ではまずやっつけることが出来ない.こんなのがたくさん寝るときに頭の周りを飛んでいたらイライラしてどうしようもない.


ハエ どこにでもいる


避難所になっている場所は大抵が学校や体育館.その学校や体育館には元々網戸が付いていない.そのため虫を防ごうと思えば窓やドアを閉め切らなければならないのだが,だんだん暑くなってきて,そうもいかなくなってきた.空調が効けば良いのだが効かない場所では,暑さに耐えるか虫に耐えるかという何とも耐え難い状況になってきている.これからはどんどん暑くなり,虫もどんどん増えていく.そうなってしまう前に網戸を設置するもしくは支援物資として大量の蚊帳など虫を防ぐための物を用意するなどの対策をしなくてはならない.


蚊などは,側溝が土砂で埋まっているため,各所で雨水が行き場を失い水たまりを作っておりそこが発生源になっている.ハエなどは,津波で流された海産物などが腐敗しそこが発生源になっている.どちらも泥かきを早急に終わらせなければ解決できない.しかし,泥かきのボランティアの数は全然足りていないという.少しでも多くの人に,被災地の方々の生活の現状を知ってもらい時間が空いたときに少しでも良いから協力してもらいたい.






足湯をやっていたら,突然声をかけられ誰かと思ったら先日タオルを頂いたキクチさんだった.お子さんと2人で渡波に来ていたそうで,ついでに寄ってくれた.
先日タオルを頂いたのに,この日は子ども達が喜びそうなかわいらしい折り紙と,折り紙で作ったバラのサンプルを頂いた.最初は何が入っているか分からなかったのだが,箱を開けてみたらきれいなバラが並んでいたので,なんだか感動してしまった.このバラ,見れば見るほど良くできている.是非自分でも作れるようになりたい.


harada

2011年6月23日木曜日

みずうみ号 in 渡波小学校

良い憩いの場


 最近,土日は様々なイベントが重なって“みずうみ号”の手伝いをすることが出来ずにいたが,18日は久しぶりに“みずうみ号”で活動を行うS&Fに同行して渡波小学校へ.

 渡波小学校に“みずうみ号”が訪れるようになって今回で5回目,“みずうみ号”がやってくる時間になると自然と人々が集まってくるようになっていた.
 皆が思い思いに本を探して読んだり,先週借りた本を返し,他の本を借りていったり,子ども達はハンモックやシャボン玉,“みずうみ号”に載っているブロックなどのおもちゃで遊んだり,と良い憩いの場として渡波小学校に定着してきているように感じた.

学校の敷地内はかなり片付いたがそれでも爪痕は残る
学校のすぐ向かいではまだまだ片付けが続く

 意外にも,かなり人気だったのはシャボン玉.これは子ども達だけでなく大人も「これ,やってみると楽しい.クセになる」とひたすら透明な玉を作り出し空へ飛ばしていた.ふわふわと空を漂う,シャボン玉を眺めるのはそれだけで癒しの効果があるのかもしれない.

 S&Fのモリヨシさんに教えてもらったシャボン液の作り方.
 ・用意する物
  台所用洗剤(界面活性剤が30%以上の物)
  洗濯のり
  水
 ・作り方
  洗剤:1,のり:3,水:6の割合で混ぜるだけ.
 あとは,針金で作った適当なわっかがあればシャボン玉を飛ばすことが出来る.




 本を見ていく大人の方々にどんな本があったらいいか聞いてみたら,編み物,縫い物などの手芸の本,絵はがきの描き方の本,大人が楽しめるマンガ,詩集,写真集などが挙げられた.
 避難所では,時間をもてあましているのだが,長い小説を読むのは疲れてしまう.そこで手軽に出来る手芸の本や,軽い気持ちで読めるマンガ,詩集,写真集などが良いということだった.
 またそのような本が手に入る機会があれば,みずうみ号に載せたいと思う.

 子ども達は,年代によっても異なるが,やはり人気のあるドラえもんやポケモン,少年ジャンプに連載されるような人気のタイトルのマンガが読みたいと言っていた.少しはためになるような本も読んだらどうかと思うのだが,自分も子どもの頃は活字をほとんど読まなかったためあまり強く勧めることもできない・・・.

 また,文庫本とハードカバーの単行本では,文庫本の方が持ち運びが便利だし,本棚にたくさん入るので良いと勝手に思っていたが,文字が大きい分単行本の方が読みやすく良いという意見が多かった.同じタイトルで両方がある場合は,単行本の方を入れた方が良いかもしれない.

 新しい本もどんどん入って,ますます魅力的な移動図書館になってきたのでこれからも多くの人に利用してもらいたい.


harada

2011年6月22日水曜日

活動報告 おながわっ子見守隊 小学生の登下校

冠水するコンビニの駐車場


 まだまだ,小学生達の登下校が心配な日々は続くためおながわっ子見守り隊のボランティアも継続している.
 女川,石巻はまだ治安が良い方らしいが,他の被災地域では,登下校中の小中学生が犯罪に巻き込まれるなんてことも起きているらしい.さらに,登下校のルートはまだまだ瓦礫の片付けが続いており歩いて安全に通れるような状態ではない.また,場所と時間によっては地盤沈下により冠水する場所も多い.

だいぶ片付いてきたが,それでもまだまだ

場所によっては1日2回水に浸かる

 朝,児童達が乗るバス停に行き,しっかり皆がバスに乗り込んだ事を確認する.バスが出発したら,バスの後ろを車で着いていき,各停留所でも子ども達がバスに乗ることを確認する.そして子ども達が学校に行くのを見守る.
 夕方,子ども達がバスに乗るのを確認し,各停留所で安全に降車するのを確認し,最後の停留所では子ども達がしっかり保護者の方に向かえに来てもらうまで付きそう.


 ただそれだけだが,それでも続けなければいけない現状がここにはある.

 一度,大潮の時に,子ども達が暮らす街の様子を見てきた.
 子ども達が,朝バスに乗り込む停留所となっているコンビニは,今でも満潮の時間になると万石浦から側溝を伝って海水が上がってくる.大潮の時には,駐車場が半分以上冠水する.
 万石浦に沿って走るJR石巻線の線路を伝って歩いてみたら.水没している家が多数あった.家の前の道は川というか,海の一部のようになっており,家から出るには長靴が必須.家の前を海の魚やエビが普通に泳いでいて,その魚を子ども達が追いかける.そんな風景が広がっていた.子ども達は楽しそうに遊んでいたが,津波で運ばれてきた危険な瓦礫が水の底にあるかもしれないし,余震による津波が今来たら・・・と考えると恐ろしい.

 海沿いに点在する港や水産加工場もすべて水没しており,従来通りの営業などとうてい出来そうにない.地震により一瞬で50cm以上沈下したが,人の力ですべてを50cm以上上げることなどできない.どうやって元の生活を取り戻せばよいのだろう.

港ごと水没している
もはや元がどんな場所だったかもよく分からない
危険な瓦礫が家の直ぐわきまで来る
線路で遊ぶ子ども
どこからが海か分からなく危険

harada

2011年6月16日木曜日

活動報告 足湯

女川町立第一保育所にて

子ども達との交流などの様々な活動を行っている合間で,最近は足湯を各地でやっている.

め組ジャパンさんの本部,こいのぼり祭りに続き,6月12日に女川町立第一保育所で,14日には石巻市立渡波小学校で足湯を行った.

渡波小学校にて
渡波の猫 写真は撮れなかったけど子猫達もいた

お風呂のない避難所で生活する方々は,自衛隊が各地で用意している仮説のお風呂に入りに行っているのだが近々,自衛隊のお風呂が撤退してしまうらしい.さらに,共同のお風呂に皆入るため水虫がかなり広まってしまっている.これから高温多湿の季節になっていくためますます広がってしまう恐れがある.そのようなことがあり,避難所生活を送る方々はお風呂の問題はかなり心配している.
早く皆さんが仮設住宅に入れるように,仮設住宅の建設を急いでもらいたい.


そんな中,足湯の活動に賛同して下さる方が現れた.その方は,石巻の蛇田で美容室を経営するキクチさん.キクチさんは各地から支援物資としてタオルや雑巾を集め小学校などに送る活動をしている.今回は,小学校などにまとめて送ることが出来ない規格外のタオルなどを提供して下さるというご提案を頂いた.
早速,お店に伺うとお店は普通に営業しており,お客さんもいらっしゃったが,直ぐに50枚ほどのタオルと雑巾を提供して頂いた.
足湯では水虫の感染を防ぐため,一人につきタオルが一枚必要となる.そのためタオルが多数必要となるため非常にありがたい.今度は,このタオルを使って足湯をさせて頂こうと思う.

美容室エフ にて キクチさんと

キクチさんの美容室エフのブログ http://blog.livedoor.jp/hairproducesalon_ef/

harada

2011年6月14日火曜日

活動報告 東京外大の勉強会・みずうみ号

●5月23日の投稿で紹介した東京外大の勉強会の話の続き

場所はあるのだけど・・・

6月12日.東京外大復興支援チームのメンバーと,石巻在住のマツカワさんと専修大学で会いミーティング.
東京外大復興支援チームは,週末になるごとにメンバーの中から3〜5人程度で石巻にやってきて,ボランティア活動を行っている.マツカワさんは,石巻の小学校に通うお子さんを持つお母さん.
外大のみなさんと,マツカワさんの間にワタナベが入り,子ども向けの勉強会の計画を進めている.

外大のメンバーは,週末にしか石巻に来ることが出来ない,マツカワさんの方も忙しくしているためいつでも会えるわけではない.そのため話がなかなか進まずまだ勉強会は実現していない.
この間までは,週末ごとにマツカワさんのお宅で数人の子ども達を相手に,遊びながら,勉強も教えるというようなゆるめの勉強会を開くことを計画していたが,マツカワさんの仕事が見つかり,週末に働かなければなくなってしまったため,マツカワさんのお宅をお借りすることが出来なくなってしまった.そのため別の場所を探すことになり,勉強会の実現はさらに遅れてしまうかもしれない.
ただ,勉強は学校でしっかり教えてくれているはずなので,夏休みなど子ども達も大学生もまとまって休めるときに,しっかり開ければそれで十分かもしれない.

ミーティングをしていた場所の前に大学のラグビーコートがあり,そこで小学生のラグビー教室が開かれていた.そのラグビー教室の先生と少し話をすることが出来た.
先生によると,スポーツクラブの練習場所の確保は非常に大変だということだった.学校の校庭が避難所の駐車場などになってしまっていることが原因の一つだが,先生によると場所はそれほどないわけではないという.使わせてもらうことが出来ればそこで練習が出来るのに,使わせてもらえないような場所が案外多いようだ.
例えば,大学のグラウンド.大学のグラウンドは大学関係者以外だと使用するための手続きが非常に面倒で,使わせてもらえない場合も多いという.週末にはほとんど使用していないような場所が多く,もっと柔軟な対応が必要だと嘆いていた.
勉強会の場所探しも,苦労するかもしれない.


●5月22日の投稿で紹介したみずうみ号関係の話

みずうみ号の運転席

6月13日.ワタナベの知り合いの出版関係の方がみずうみ号に入れる本を提供してくれるということだったので,石巻市内の書店へ.
その方は,「どうせ本を買って渡すなら,石巻の書店で買った方が良い」と言い,石巻の書店で本を購入してくれた.

いくつかの店舗が流されてしまった本屋さん

こんなに大量に買うことは私の今後の人生で,まず無いだろうなと思えるほどの本を買い物かごに放り込みレジへ何往復も運んだ.子ども達が興味を持ちそうな本,人気の本,是非読んでもらいたい本などを選んだ.
購入してもらった後は本屋の駐車場で,みずうみ号へ.人気の無さそうな本や,あまりにも古い本をどけて新しい本に入れ替えた.これで,これまで以上にみずうみ号は人気になってしまうだろう.

誰もが当たり前のように子ども達が欲しい者を買い与えてしまう被災地で,貸した本が必ず返ってくるのを望むのは難しい.しかし,本を提供してくれた人たちや,みずうみ号を貸してくれた東大和市の皆さんの気持ちをしっかり伝えて,ルールを守って利用してもらい,是非一人でも多くの子に,読んでもらって楽しんでもらいたいと思う.

harada 

2011年6月12日日曜日

活動報告 6.11

鯉のぼりに思いをのせて


6月11日(土)
この日は,「今日であの大震災からちょうど3ヶ月」という日だった.そのため,各地で合同慰霊祭や追悼のための催しが開かれた.

私たちがまず,向かったのは北上地区にある飯野川第一小学校.ここで“こいのぼり祭り”が開かれることになっており,ボランティアもその手伝いを行った.
この祭りは,避難所となっている飯野川第一小学校の体育館で生活する方々や,子ども達,地域の方々が対象で,炊き出しによる昼食の提供,多数の鯉のぼり,楽器の演奏などのパフォーマンス,スポーツインストラクターによるサッカー教室などが行われた.祭りの企画は,飯野川第一小学校の教頭先生が中心となって進められた.

炊き出しコーナー
中でも,注目すべきなのは炊き出しを避難所で生活するお母さん方がご自身達で行ったこと.実は,この方々は農家レストランを始めることを検討しており,その感覚をつかむために今回実際に炊き出しで焼きそばや,餅などをふるまった.
実際に被災され避難所で生活してる方々なので,最も求められることをやろうとしている.避難所や,仮設住宅は津波の被害の出ていない高台などに作られる.そのような場所はたいていスーパーなどの商店から離れている.また,あったとしても現在は津波に呑まれ営業していない場合が多い.
そのため,避難所や仮設住宅で生活する方々は買い物難民になってしまう.そのため,炊き出しのような形で移動できる車に必要な機材を積んで,避難所や仮設住宅を定期的にまわるような人たちが必ず必要になる.それを,実際に被災され避難所で暮らす方々がやろうとしている.北上地区には農家の方が多いため,農家レストランのような形で取れたての野菜や,無農薬の野菜を栽培者の腕で料理して提供すれば,やっていけるのでは,という考えだということだった.

お好み焼き屋さん

朝から昼頃にかけては,雨が降っており人もまばらだったが,昼過ぎには雨が上がり信じられないほどの快晴になり,子ども達を中心に盛り上がった.

私たちは,会場の片隅で足湯のサービスを行った.避難所での生活では必ずしも毎日お風呂に入ることが出来るわけではなく,それがストレスになっている方も多い.全身の入浴は提供できなくてもせめて足だけお湯に浸かってリラックスしてもらえればという思いで行った.
予想に反して,集まってきたのは子ども達が多かった.「ああ 最高だ〜」と言って足を湯に浸していた.
子ども達は,このようなイベントでもない限り学校で自由に遊ぶことが出来ないようで,いつまでもいつまでも遊んでいた.私たちも,一緒にサッカーをしたり走り回った理などして大いに子ども達とふれあうことが出来た.

子供たちが書いてくれたチラシも追加
雨で涼しかった

やはり,被災地の子ども達は,遊び足りておらず,相手をしてあげる大人が少ないという傾向があるように思えた.子ども達は,走り回りたい衝動を発散しきれていない.スポーツ教室や遊び場の提供により,発散させてあげることが必要に思えた.




2時46分には,会場にいた全員が鯉のぼりの下に集まって,1分間黙祷を捧げた.あれだけ賑やかだった会場が,完全に静寂に包まれた.亡くなった方々に,皆の祈りが届くように祈った.




その後,祭りの会場を片付けて,湊小学校へ.
ここでは夜7時から湊地区の合同慰霊祭が開かれた.会場には,石巻市の亀山市長も出席され,大きな規模で開かれた.
出席された方々の表情や姿から,津波が奪っていったものの大きさ,重さが改めて分かった.しかし,津波により親族や友人などを亡くされた方々は,亡くなった方々を悼む気持ちももちろんだが,「絶対復興してやる」「皆で力を合わせて頑張ろう」という気持ちが非常に強いと,表情などから感じた.この方々なら,絶対にこの震災の被害を乗り越え,前よりもっと活気のあふれる街を取り戻すだろうと確信し,改めてこの方々の力に少しでもなることができればと思った.
慰霊祭の後には,追悼イベントが開かれた.避難所の方々の手作りキャンドルが並べられ,音楽と共に火が付けられた.最後には,会場にいた全員で『ふるさと』などの歌を歌った.

体育館で
避難所の方々の手作りキャンドル
「6.11湊地区」 「ありがとう」 の大きな文字が

harada

2011年6月10日金曜日

足湯はじめました

お風呂セット

先日,NPO法人“あいうえお堺支部”の方からお風呂セットを預かった.このお風呂セットを使って自分たちに出来ることを探すことになった.

お風呂セットのセット内容
・廃材で沸かせる給湯器
・浴槽
・足湯用の桶
・配管類
・テント

このお風呂セットの給湯器は,大阪の佐野工科高等学校の生徒さん達が制作したもので,既に南三陸町などで避難所のお風呂を沸かすために使用されているそうだ.
この給湯器は,木などを燃やし発生する熱でお湯を沸かすというもの.燃料には,津波により大量に出てしまった瓦礫を使用することを想定している.
中央の筒状の部分で木を燃やし,その筒の周りをぐるぐると配管が巻かれていてそこを水が通過することにより水がお湯になる.配管を巻く数はお湯の温度が適切になるように作られており,火の燃え加減にもよるが,およそ40〜60℃のお湯が出てくる.

私たちは,避難所でお風呂を運営するほどの人もいなければお金もないため,避難所などを回りそこで暮らしている方々に足湯に浸かってもらおうと考えた.さらにこれなら,移動図書館車の活動とコラボレーションも出来るかもしれない.
被災地では,瓦礫の撤去などの作業は進んでいるが,避難所の方々の生活はあまり良くなっていない.現在でも車などの足が無い方は3・4日に1度しかお風呂に入ることが出来ない.そのお風呂も自衛隊が設置運営している簡易的なもので,しかも入りに来る方が多く,外には行列が出来ることもあるため,落ち着いて入浴することができないと聞いた.

そこで,足だけでもリラックスしてお湯に浸かってもらえればと考えた.
まずは,6月11日に石巻市立飯野川第一小学校で開かれる“こいのぼり祭り”で一つのブースとして出して,そこの避難所で暮らす方々に意見を頂こう思っている.

まだまだ苦しい生活が続いている
避難所にあったかっこいい絵 砂で描かれている
飯野川第一小学校

しかし,初めての本番でいきなりやるのでは少し不安があるため一度練習してみることにした.6月9日夜.登米市にあるNPO法人“め組ジャパン”さんの本部で,一日泥かきなどの作業をしてきたボランティアの方々向けに足湯をやらせて頂いた.

始めてなのに,夜の真っ暗な中での作業でしかも小雨がパラパラと降り出すなど散々だったが,なんとか火を起こし水を温めることが出来た.
お休み前の皆さんに足湯に浸かってもらって,一日の疲れを癒してもらった.昼間は,汗ばむくらいになってきたが,夜はまだまだ冷える.そのため,夜の足湯は非常に気持ちが良いとなかなか評判が良かった.
夜に,ボランティアさん向けに足湯をやるのも良いことかもしれない.

暖かくて気持ちが良い足湯
しっかりできました

NPO法人あいうえお堺支部 http://www.geocities.jp/npo_aiueo_sakai/
大阪府立佐野工科高等学校 http://www.osaka-c.ed.jp/sano-t/zen/club/car.html

harada

2011年6月7日火曜日

活動報告 橋浦小学校運動会

6月5日(日)

ほどよく曇っていて絶好の運動会日和

・運動会の概要

 この日,石巻市立橋浦小学校の運動会があった.今年の運動会は,津波で大きな被害を受け橋浦小学校に居候している,相川小学校・吉浜小学校の生徒達も一緒に参加するため,3校の合同運動会.生徒も3倍,先生も3倍,父兄も3倍.校長先生は3人.教頭先生も3人.PTA会長も3人.というように,このような状況だからこそ体験できる特殊な運動会だった.

 生徒は,3校でも6学年合わせて200人程度.他の小学校では,空き教室を利用してそこに他の学校の学級がそのまま居候しているところもあるのだが,橋浦小では人数が少ないため,各学年の学級の人数が増える形となっている.そのため,皆で一緒に授業を受け,生徒同士の関わりが多く学校の違いの壁を直ぐに越えて皆仲良くなったそう.

 震災からあと少しで3ヶ月.まだまだ避難生活をしている子達も多くいる.この時期の運動会だからボランティアも出来ることはしますということでワタナベなどのボランティアもいろいろな面で協力することに.
 ボランティアは,主に事前の準備の手伝い・障害物競走の企画・運動会がお昼で終了した後のイベントの企画を任された.

・準備
 事前の準備では,テントの用意,フリーマーケットの準備,炊き出しの道具の用意などを3日金曜日の時点からおこなった.テントは近くの北上中学から,炊き出しの道具は石巻市内の穀町幼稚園からそれぞれ借りてきた.
 フリーマーケットは,本来の意味であるflea(蚤)ではなくて,free(無料)のフリーマーケット.フリーマーケットの準備には,大阪からやってきたNPO地球村の皆さんが協力してくれた.このフリーマーケットはすべての物が支援物資で,すべて無料で持って行くことが出来る.これには,全国各地や,韓国・ベトナムなどの外国から寄せられた物資を自衛隊の倉庫から提供してもらった.生活用品から,学校で使うノートなどの文房具,体操着やジャージから普通の服,靴さらに食料品まで様々な物が並んだ.

テント運び
地球村の皆さんとフリマの準備
すべて無料!

・そして運動会
 準備や,打ち合わせなどをしている間に,生徒達が登校してきて開会式が始まった.3校分の生徒が整列し,3校分の父兄が見守る.
 選手宣誓は,3校からそれぞれ代表者が出て,3人の校長先生に向かい力強く声をあげる.今回は,生徒達が練習する期間が非常に短かく,しかも急に人数が増えたため踊りなどのパフォーマンスはプログラムにはなく,事前の練習がほとんど必要ない徒競走やリレーなどが中心.それでも,先生方の工夫で楽しませてくれるような演出もあり.大いに盛り上がった.
 私たちボランティアもプログラムの間に障害物競走を入れてもらい,各学校の先生達3チームとボランティアチームの合計4チームで対戦し楽しんでもらうことができた.障害物競走には各校長先生,PTA会長も出場してくれた.

開会宣言
3人の校長に3人が宣誓
児童席
3校の校旗が並ぶ
徒競走 かなりの接戦
「いちについて」 「よーい」 
ご父兄の皆様も見守る
ボランティアも参加した障害物競走
大活躍の橋浦小学校の校長先生
優勝は橋浦小チーム
参加賞も3校から
お疲れ様でした

・午後の部
 運動会はお昼で終了し,ここからはボランティアがすべて企画した自由参加のイベントに.
 炊き出しは,焼き肉,たこ焼き,ずんだ餅,あじの干物,かき氷,コーヒーなど.それぞれ協力してくれる方々が集まり振る舞ってくれた.特に人気だったのは焼き肉.最後まで長蛇の列が出来ていた.
 その他にも,集まったボランティアがそれぞれブースを作りいろいろな場所で人だかりができた.じゃんけんお菓子つかみ取り,アクリル絵の具のペイント教室,囲碁教室,青空整体,手作りアロマ教室,障害物競走の粉飴体験など.どこも,人が集まり大盛況だった.
 フリーマーケットでは,協力して下さった地元のお母さん方のおかげで,大きな混乱もなく皆に物資が行き渡った.

じゃんけんでお菓子つかみ取り
炊き出しコーナー
鰺の大群
大盛況
障害物競走の粉飴体験 案外人気
アクリル絵の具ペイント教室
オリジナル団扇にオリジナルTシャツ
青空整体
おいしい珈琲屋さんも
顔に小麦粉がついた人が囲碁を教えてました
手作りアロマ教室
 
 今回の運動会は参加人数が多かったためイベントにも多くの人が訪れることが予想され多少の不安があったが,何の問題もなくすべて終了することができた.
 子ども達も,父兄の方々も先生方も皆,この日はお客さんになって楽しんでくれた.震災で辛く,悲しい思いをした人もたくさんいたはずだが,このイベントで少しでも気がまぎれてくれたなら良かったと思う.
 是非,他の場所でも多少大変であっても運動会を開催して頂けたらと思う.

harada