2011年6月12日日曜日

活動報告 6.11

鯉のぼりに思いをのせて


6月11日(土)
この日は,「今日であの大震災からちょうど3ヶ月」という日だった.そのため,各地で合同慰霊祭や追悼のための催しが開かれた.

私たちがまず,向かったのは北上地区にある飯野川第一小学校.ここで“こいのぼり祭り”が開かれることになっており,ボランティアもその手伝いを行った.
この祭りは,避難所となっている飯野川第一小学校の体育館で生活する方々や,子ども達,地域の方々が対象で,炊き出しによる昼食の提供,多数の鯉のぼり,楽器の演奏などのパフォーマンス,スポーツインストラクターによるサッカー教室などが行われた.祭りの企画は,飯野川第一小学校の教頭先生が中心となって進められた.

炊き出しコーナー
中でも,注目すべきなのは炊き出しを避難所で生活するお母さん方がご自身達で行ったこと.実は,この方々は農家レストランを始めることを検討しており,その感覚をつかむために今回実際に炊き出しで焼きそばや,餅などをふるまった.
実際に被災され避難所で生活してる方々なので,最も求められることをやろうとしている.避難所や,仮設住宅は津波の被害の出ていない高台などに作られる.そのような場所はたいていスーパーなどの商店から離れている.また,あったとしても現在は津波に呑まれ営業していない場合が多い.
そのため,避難所や仮設住宅で生活する方々は買い物難民になってしまう.そのため,炊き出しのような形で移動できる車に必要な機材を積んで,避難所や仮設住宅を定期的にまわるような人たちが必ず必要になる.それを,実際に被災され避難所で暮らす方々がやろうとしている.北上地区には農家の方が多いため,農家レストランのような形で取れたての野菜や,無農薬の野菜を栽培者の腕で料理して提供すれば,やっていけるのでは,という考えだということだった.

お好み焼き屋さん

朝から昼頃にかけては,雨が降っており人もまばらだったが,昼過ぎには雨が上がり信じられないほどの快晴になり,子ども達を中心に盛り上がった.

私たちは,会場の片隅で足湯のサービスを行った.避難所での生活では必ずしも毎日お風呂に入ることが出来るわけではなく,それがストレスになっている方も多い.全身の入浴は提供できなくてもせめて足だけお湯に浸かってリラックスしてもらえればという思いで行った.
予想に反して,集まってきたのは子ども達が多かった.「ああ 最高だ〜」と言って足を湯に浸していた.
子ども達は,このようなイベントでもない限り学校で自由に遊ぶことが出来ないようで,いつまでもいつまでも遊んでいた.私たちも,一緒にサッカーをしたり走り回った理などして大いに子ども達とふれあうことが出来た.

子供たちが書いてくれたチラシも追加
雨で涼しかった

やはり,被災地の子ども達は,遊び足りておらず,相手をしてあげる大人が少ないという傾向があるように思えた.子ども達は,走り回りたい衝動を発散しきれていない.スポーツ教室や遊び場の提供により,発散させてあげることが必要に思えた.




2時46分には,会場にいた全員が鯉のぼりの下に集まって,1分間黙祷を捧げた.あれだけ賑やかだった会場が,完全に静寂に包まれた.亡くなった方々に,皆の祈りが届くように祈った.




その後,祭りの会場を片付けて,湊小学校へ.
ここでは夜7時から湊地区の合同慰霊祭が開かれた.会場には,石巻市の亀山市長も出席され,大きな規模で開かれた.
出席された方々の表情や姿から,津波が奪っていったものの大きさ,重さが改めて分かった.しかし,津波により親族や友人などを亡くされた方々は,亡くなった方々を悼む気持ちももちろんだが,「絶対復興してやる」「皆で力を合わせて頑張ろう」という気持ちが非常に強いと,表情などから感じた.この方々なら,絶対にこの震災の被害を乗り越え,前よりもっと活気のあふれる街を取り戻すだろうと確信し,改めてこの方々の力に少しでもなることができればと思った.
慰霊祭の後には,追悼イベントが開かれた.避難所の方々の手作りキャンドルが並べられ,音楽と共に火が付けられた.最後には,会場にいた全員で『ふるさと』などの歌を歌った.

体育館で
避難所の方々の手作りキャンドル
「6.11湊地区」 「ありがとう」 の大きな文字が

harada

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